15. 軽量食器 ③ 軽量食器がつなぐ未来
- 1月19日
- 読了時間: 5分
更新日:1月21日
〜 多層的な課題解決のカタチ 〜
フィロソフィー
■美濃焼の可能性を引き出し、物語とともに届ける
■作り手と使い手の接点を増やし、産地に貢献する
■当たり前を塗り替え、持続可能な窯業を確立する
お疲れ様です。
「軽量食器」最終章では、この商品が成し遂げた「多層的な課題解決」の裏側、そして私たちが目指す「課題解決企業」としての姿についてお話しします。
1. 「常識」という課題への挑戦:機能に「彩り」を
最初のきっかけは、業界の常識への挑戦でした。 前々回のブログにも書いたように、当時の軽量食器は「透明な釉薬」をかけただけのシンプルなものが主流でした。そこで、我々は釉薬メーカーと試行錯誤の末、風合いのある釉薬を乗せることに成功。その結果、軽量食器は「便利な道具」から、食卓を美しく彩る「高見えする器」へと進化させることができました。

重たい食器を持つストレスをなくす(身体的解決)
食卓の彩り不足を解消する(情緒的解決)
お客様の「困りごと」を、機能と情緒の両面から解決したこと。これが、すべての突破口でした。
2. 「産地」という課題への挑戦:守るために、攻める
このプロダクトは、私たちのパートナーであるメーカーや、美濃焼の産地そのものが抱える構造的な問題にも光を当てています。
例えば、コロナ禍。多くの窯元が休業に追い込まれる中、某大手量販店という巨大なインフラと結びついた私たちの生産ラインは、止まることがありませんでした。 圧倒的な販売力を確保することで、「メーカーの稼働を守り、雇用を維持する」という経営上の最優先事項をクリアしたのです。
さらに、この軽量食器は通常の器より土の量を20〜30%削減できます。原料枯渇が深刻な産地において、資源を節約しながら利益を出せるこの構造は、まさに「持続可能なものづくり」への回答です。再生原料(セルベン)の活用も含め、私たちが取り組んでいるのは、産地全体を再生させるサーキュラーエコノミーの実現そのものなのです。

3. 「市場」という課題への挑戦:最短ルートで国民の器へ
最後に、社内からも時折聞こえる「井澤の名前が表に出ない」という点についても触れておきます。
確かに、世の中の評価はあくまで某大手量販店の「軽量食器」として積み上がっています。
しかし、私はそれでいいと思っています。 なぜなら、私たちの目的は「自社ブランドを誇示すること」ではなく「最短・最大スピードで、世の中の課題を解決すること」だからです。
私とバイヤーの間には、「累計1億2,000万枚販売し、日本人の誰もが持っている『国民の器』にする」という共有している目標がありました。 この壮大な目標を実現するためには、日本最大の販売網を持ち、誰もが手に取りやすい価格で提供できるパートナーが不可欠でした。
中国でも真似できなかった「配合・形状」の技術選定。
「売り場そのもの」を変えたVMD(陳列)提案。
全国CMまで至らせたプロモーション戦略。
このすべての道筋を描き、市場に巨大な流れを生み出したのは、紛れもなく私たちです。 私たちの描いた戦略によって、市場も、産地も、お客様の笑顔も、すべてが望ましい方向へ動き出した。その「設計者」であることに、ぜひ誇りを持ってください。
私たちは「課題解決企業」である
「モノ」を右から左へ流すだけの商社の時代は終わりました。こうした一つひとつの積み重ねを振り返ったとき、軽量食器の成功体験が教えてくれた私たちがすべきこと。それは、デザインと戦略の力で、世の中と産地の課題を同時に解決していく「課題解決企業」であることだと私自身、感じています。
もちろん、最初から正解がわかっていたわけではありません。 一つの困難に必死に向き合ったとき、その成果が波及し、次の良き変化へと繋がっていく。この実体験が私たちの原点となります。
皆さんには、自分の仕事が「今、誰の役に立ち、どんな未来を創っているのか」を常に自問自答してほしいと思います。 現在取り組んでいる「お茶」や「大手百貨店」への挑戦も、すべてはこの文脈の中にあります。 「産地の価値をどう再定義するか」という新たな問いに対し、また私たちにしかできない方法で、確かな答えを出していきましょう。
井澤コーポレーション/ ART HOME DESIGN フィロソフィー
このブログで語られる私たちの挑戦は、すべてこのフィロソフィーに基づいています。
【PURPOSE】
うつわの可能性をひろげ、五感で味わう食文化をつくる
【VISION】
井澤コーポレーション
産地と食卓をつなぐ、セラミックプロデュースカンパニー
ART HOME DESIGN
産地と食卓をつなぐ、セラミックデザインカンパニー
【MISSION】
井澤コーポレーション
For Customer:美濃焼の可能性を引き出し、物語とともに届ける
For Industry:作り手と使い手の接点を増やし、産地に貢献する
For Society:当たり前を塗り替え、持続可能な窯業を確立する
For Employment:物心の幸福を追求し、働きがいのある環境を創る
ART HOME DESIGN
土と食を探求し、土の都・美濃に貢献する
時代を読み解き、世界との多面的なつながりをつくる
産地と世界から着想し、デザインで食文化を創造する
【VALUES】
to Think:美味しいを哲学する
to Communicate:質から逃げない
to Make:心と言葉を尽くす
to Live:暮らしを楽しむ



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