08. ブランドは人が育てる。at Kilnもう一つの物語。
- Eriko Tsuchida
- 4 日前
- 読了時間: 4分
〜 人がブランドを育て、ブランドが人を育てる。 〜
フィロソフィー: 作り手と使い手の接点を増やし、産地に貢献する

お疲れ様です。
最初の夢が破れ、ギャラリーとして再出発した私たちは、次なる夢を描きました。それは、私たちの事業の根幹である「土」の価値を、どこよりも深く表現する店づくりです。
壁一面にガラス瓶に入った土が並び、お客様が自分だけのブレンドを作れる。東海湖の地層を標本にした『モノリス』を飾り、この数センチに宿る何万年という時間を語る…。それは、どこにもない、専門性の高い店づくりを目指すものでした。
しかし、この夢もまた、当時は形にすることができませんでした。その目標を、社内外の仲間たちと共有するには、まだ私たちの力が足りなかったのです。熱量の差を、埋めることができませんでした。
二度の大きな挫折。しかし、この11年という時間は、決して無駄ではありませんでした。その時間の中で、私たちは何よりも大切な資産を得ることができたからです。
それは、「人の成長」です。
そして、人の成長と共に、私たちが提供する価値もまた、深く変化していきました。例えば、陶芸教室。多くの教室が「自分で器を作る」という体験価値を提供しているとするならば、私たちが届けたいのは、もっと根源的なものです。
グッドデザイン賞を受賞した循環する土の話や、その土がどのような工程を経て今ここにあるのかという物語。そうした背景を皆が理解し、お客様にお伝えした上で土に触れてもらう。それは、もはや単なる陶芸体験ではなく、「土そのものと対話し、その尊さを感じる時間」という、唯一無二の価値になると信じています。

この価値を体現してくれているのが、まさに仲間の成長です。
店舗立ち上げ当時、陶芸教室の先生として歩み始めた一人の社員がいました。事業転換に伴い、彼女は持ち前のコミュニケーション能力を活かし、多くの作家と対話を重ね、様々な経験を通して成長し、今や一人のギャラリストとして自分の言葉で語れるようになった。彼女の成長の軌跡こそ、at Kilnの歴史そのものだと言っても過言ではありません。
ブランドは人が育てるものであり、そして育った人が、また次のブランドの物語を紡いでいく。
11年前には、なかなか取引をしてくださらなかった多くの作家たち。。しかし、時間をかけて信用を築き、一人ひとりが成長してくれた今ならば、きっと多くの作家が耳を傾けてくれるはずです。
私たちが今、本当の意味で「土」を語るスタートラインに立っているのは、間違いなく、この11年間、諦めずに歩みを共にしてくれた皆がいたからです。
at Kilnがどんな店であるべきなのか。フィロソフィーに基づいたお店になってるかを検証しながら、これからもみんなで育てていきましょう。
このブログでの「仲間」の定義
※ 仲間=友達ではない。リスペクトを持って、互いに共通の目的を持って動くのが仲間。
井澤コーポレーション/ ART HOME DESIGN フィロソフィー
このブログで語られる私たちの挑戦は、すべてこのフィロソフィーに基づいています。
【PURPOSE】
うつわの可能性をひろげ、五感で味わう食文化をつくる
【VISION】
井澤コーポレーション
産地と食卓をつなぐ、セラミックプロデュースカンパニー
ART HOME DESIGN
産地と食卓をつなぐ、セラミックデザインカンパニー
【MISSION】
井澤コーポレーション
For Customer:美濃焼の可能性を引き出し、物語とともに届ける
For Industry:作り手と使い手の接点を増やし、産地に貢献する
For Society:当たり前を塗り替え、持続可能な窯業を確立する
For Employment:物心の幸福を追求し、働きがいのある環境を創る
ART HOME DESIGN
土と食を探求し、土の都・美濃に貢献する
時代を読み解き、世界との多面的なつながりをつくる
産地と世界から着想し、デザインで食文化を創造する
【VALUES】
to Think:美味しいを哲学する
to Communicate:質から逃げない
to Make:心と言葉を尽くす
to Live:暮らしを楽しむ

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