07. at Kilnの始まりと、チャレンジから得たもの
- Eriko Tsuchida
- 4 日前
- 読了時間: 4分
〜 始まりの物語、私たちが全く違う夢を見ていた頃の話 〜
フィロソフィー: 作り手と使い手の接点を増やし、産地に貢献する

お疲れ様です。
今日は、11年前に新規事業でスタートしたat Kilnについて、その始まりの物語を少し話します。 今、みんなが知っているat Kilnが、最初は全く違う夢を見ていたという話です。
11年前、新しい事業を立ち上げようと作家に声を掛けたけれど、その声に振り向く人はほとんどいませんでした。作家の方々も、まだ何者でもない私たちを遠巻きに見ている。それは当然のことでした。何の実績も信用もなく、ただ熱意だけが先走っていたからです。
実は、at Kilnは最初から今のようなギャラリーを目指していたわけではありませんでした。私の頭の中にあったのは、全く異なるビジネスモデルだったのです。
それは、「陶芸教室」を核とした、会員制のクローズドマーケットでした。 まず、青山に拠点を構え、価値観を共有できる方々だけの特別なコミュニティを作る。そして、そこでしか手に入らない特別な商品を紹介していく。いずれは全国に10店舗、3000人規模の強固なコミュニティを作り上げる…そんな夢を描いていました。

しかし、現実はそう甘くはありませんでした。 青山という土地柄が合わなかったのか、私が思い描いていたような温かいコミュニティは生まれず、計画は早々に頓挫します。さらに皮肉なことに、拠点として併設したカフェが、会員ではない一般のお客様で大変な人気となってしまったのです。客単価500円で長時間滞在されるお客様で賑わう様子は、私が目指していた世界とは、まさに真逆のものでした。
大きな投資もしましたが、私は早々に見切りをつけ、全てをギャラリーに変えるという大きな決断をしました。

今、振り返ると、あのチャレンジには大きな意味があったと感じています。 もし、あの会員制ビジネスが計画通り成功していたら、at Kilnは今のようなカタチではなかったかもしれません。チャレンジし、そして失敗したからこそ、私たちは効率や規模を追うのではなく、作家の方々と深く向き合い、「信用」を積み重ねていくという、地道ですが本質的な道を選ぶことになりました。お客様に対しても、単にモノを作る楽しさだけではなく、その手の中にある「土」そのものの価値を感じていただく、という現在のコンセプトに辿り着いたのです。
ですから、あの青山での挫折は、今のat Kilnの根幹を成す出来事だったのだと、今では確信しています。私たちの本当の物語は、ここから始まったのです。
ちなみに、まだ私はあの頃描いていた、クローズドマーケットは諦めていません(笑)。
詳しく聞きたい人、ぜひ飲みにいきましょう!
このブログでの「仲間」の定義
※ 仲間=友達ではない。リスペクトを持って、互いに共通の目的を持って動くのが仲間。
井澤コーポレーション/ ART HOME DESIGN フィロソフィー
このブログで語られる私たちの挑戦は、すべてこのフィロソフィーに基づいています。
【PURPOSE】
うつわの可能性をひろげ、五感で味わう食文化をつくる
【VISION】
井澤コーポレーション
産地と食卓をつなぐ、セラミックプロデュースカンパニー
ART HOME DESIGN
産地と食卓をつなぐ、セラミックデザインカンパニー
【MISSION】
井澤コーポレーション
For Customer:美濃焼の可能性を引き出し、物語とともに届ける
For Industry:作り手と使い手の接点を増やし、産地に貢献する
For Society:当たり前を塗り替え、持続可能な窯業を確立する
For Employment:物心の幸福を追求し、働きがいのある環境を創る
ART HOME DESIGN
土と食を探求し、土の都・美濃に貢献する
時代を読み解き、世界との多面的なつながりをつくる
産地と世界から着想し、デザインで食文化を創造する
【VALUES】
to Think:美味しいを哲学する
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